新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて、ほとんどの医療従事者がコロナを念頭に置きながら日常診療に従事せざるを得なくなった。しかしコロナ禍においても日常診療における細菌感染症は相変わらず重要な位置を占めており、AMR対策も継続して行う必要がある。世界的にみてもAMRの状況は近年、さらに深刻になってきており、以前は世界で年間70万人が耐性菌感染症が原因で死亡していると報告されていたが、新しい報告では2019年の死者は120万人に増加しており、3大感染症と肩を並べている。このような状況下において、医療従事者はAMRに対するUp to dateな知識を得た上で、抗菌薬の適正使用を継続していく必要がある。